レポート&コラム

更新日2021年6月24日

【森のしんぶん夏号から】ミヤーキーの虫写

 森のしんぶんの「ミヤーキーの虫写」の記事をご紹介します。他の記事を読みたい方は、尼崎の森中央緑地パークセンターに設置されている森のしんぶんをご覧くださいね。

 

 6月から8月の間に写した虫の写真を集めました。その中で、尼崎の森で歩道を歩くと自然に目に入る<トンボ・チョウ・バッタ>を外し、探さないと見つけられない虫を取上げました。

 

 最初は、「クサカゲロウ」です。 卵:3日、幼虫:10日、蛹:15日、成虫:3か月の命です。 成虫のヒラヒラと飛ぶ姿が、とても儚げで魅力的です。これは、翅が上の時下翅は下ですが、上翅が下の時は下翅が上にくるという特殊な動かし方をしている所為でしょうか。幼虫の好物がアブラムシで大食漢のため、益虫活用されているそうです。

 

 次は、「ハサミムシ」。森床の大きな石の下で見つかるお馴染みの虫です。森の中では色々卵を見かけますが、大抵産みっぱなし。が、ハサミムシの母親は卵を保護し、孵化してからは餌を与える等育児に励んでいます。中でもびっくりは山地に住むコブハサミムシです。卵から孵った幼虫が母親を食べて成長するという習性がある由。一度見たいものです。

 

 次は、「ホソヘリカメムシ」です。カメムシは、一般的に刺激すると悪臭を放つので嫌われ者ですが、このホソヘリは、姿形が角張っているし、悪臭を放ちません。 嫌われ者のカメムシですが、凡そ1150種位居て、背中の紋様が綺麗で、種類も色々あり、愛好マニアが結構います。

 

 これは「エダシャク」と言い、蛾です。日本では、蛾はチョウの20倍位、凡そ4500種います。仲間には皆さんが良く知っている「チャドクガ・イラガ」を初め、世界でも最大級の大きさの「ヨナグニサン」という怪獣モスラのモデルになった蛾もいます。否定的イメージが強い虫ですが、チョウのように 綺麗な蛾もいます。 この蛾の分類の中に、シャクガというのがあり、凡そ900種類、更に小分けした中にエダシャクがあって、300種類程います。幼虫は、歩き方に特徴があり、通称「尺取り虫」と呼ばれ、子供達に人気があります。一方この幼虫は、天敵から身を守るため優れた擬態をしているものが多くいます。その一つが下の写真です何処に幼虫がいるか判りますか?「トビモンオオエダシャク」の幼虫です。 

 

 最後に、虫たちの生態観察で、私が一番感動した光景です。陽が落ちてからしか見られませんが、クマゼミの羽化です。翅の色が綺麗で、初めて見た時は絶句しました。

 

 

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