レポート&コラム

更新日2018年3月30日

【森のしんぶんから】ミヤーキーのカメラ2018年3月号

「アマフォレストの会」の一員で、森のお世話をしながら、尼崎の森中央緑地を趣味のカメラで撮影する、ミヤーキーこと三宅喬さん。情報誌「森のしんぶん」で毎号、写真の連載を担当いただいています。

掲載しきれなかった素敵な写真を、三宅さんの解説とともにお届けします。

今回のレポートは、この2月に撮影されたもの。季節を少しさかのぼってご覧ください。

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冬の森は落ち葉と幹と枝だけで、遠くが見通せるほど寂しい空間で、人を引き寄せるものが少ないのが現実ですが、そんな冬だから見られるものがないかなと、尼崎の森を探検してきました。

今年は数十年ぶりの厳寒の冬で、その寒さを体現していたのが上の写真で、オオマツヨイグサです。葉っぱに一杯霜が降りてキラキラ光り、綺麗な文様を描いていて、思わずシャッターをきった一枚です。

続いてはこちら。
 
はじまりの森の中で、環境体験学習用教材として活用するため、シイタケの原木栽培を行っています。そのシイタケですが、この冬の寒さと乾燥により、折角顔を出したシイタケが大きくなることなく、カチカチの干しシイタケになっていました。済みません、写真では硬さが判らないですね!

でもお蔭様で、ナメクジに食べられることも、腐る事もなく、どんな生え方をしているか等の観察が出来ています。ちなみに、シイタケは、バイ菌やカビ等と同じ仲間で、食べているのは植物の花に該当する部分です。

 

次は、落葉して見通しが良くなったから、見つけやすくなったものの紹介です。
最近滅多に見かけなくなったのが、ご存じの「ミノムシ」です。この「ミノ」の中で「ミノガの幼虫」が生活していますが、実は家づくりの名人なのです。この「ミノ」を指先で破ろうとして、中々破れなかった経験をしている人が結構いると思いますが、とても丈夫に出来ています。
 
この幼虫は、脱皮(7回)の度に大きくなり、ミノを大きく作り変えています。写真の「ミノ」は葉と小枝で出来ていますが、自分の周りの材料を使って、お家をつくる能力を持っています。色紙を細かく刻んだ中に、ミノガの幼虫をいれておくと、色賑やかなミノをつくります。ちなみに、ミノガの雄は翅を持ち飛ぶ事が出来ますが、雌は翅も肢もありません。


手指が凍えてカメラの操作が巧く出来ない程、寒い森の探検でしたが、この写真の光景を見た時、心がホッコリするのを感じました。シュンランです。
 
最初に確認したのは、昨年12月初旬でしたが、少しだけ大きくなっていて、こんなに寒い中、成長してることがわかります。毎年楽しみにして観察していますが、少しずつ花芽が増えてきています。昔から日本人に親しまれて来た野草で、茶器やお椀のモチーフとして描かれています。

また、面白いニックネームがついています、「ジジババ」というそうです。

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「ジジババ」ユニークな呼び方ですね。どうしてこんな名前がついたのかは、森のしんぶん2018年3月号の「森のマンガ」にエピソードをご紹介しています。パークセンターにて配布していますので、手にとってみてください。

ほんの数ヶ月前の様子ですが、写真からも冬の寒さが伝わってくることに驚きました。春になり、ずいぶん光がやわらかくなってきたんですね。

尼崎の森中央緑地もあたたかな過ごしやすい季節となりました。カメラやスマートフォンを持って、撮影をしながらピクニックを楽しむのもおすすめですよ。
 

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