生物図鑑
更新日2022年4月14日
【森のしんぶん冬号から】ミヤーキーの虫写
森のしんぶんの「ミヤーキーの虫写」の記事をご紹介します。他の記事を読みたい方は、尼崎の森中央緑地パークセンターに設置されている森のしんぶんをご覧くださいね。
今の地球は、虫の王国だという話があります。それは、生存の歴史的長さと種の多さの所為だと思っています。その虫の繁栄は、植物と共生関係にある事と、成長過程で思いもつかぬ変態により食物連鎖の被害が押さえられた事が寄与しているのではないでしょうか?
繁栄を誇る虫たちも、冬の寒さは苦手のようで、色んな形で冬を越しています。成長過程は、完全変態(卵⇒幼虫⇒蛹⇒成虫)又は不完全変態(蛹がない)なので、今日はその一部を紹介したいと思います。尚、選択は尼森で比較的見つかりやすいものにしました。
枯枝にササクレがありますが、ササクレを起点にして斜めに穴が掘られていて、そこに3~5ケの卵があります。これはクマぜミの卵ですが、枝の中で冬を越し、翌年の梅雨の頃、孵化して幼虫となり、樹の根本付近に穴を掘って地中に潜り、5年間地中で幼虫生活をします。
これはオオカマキリの「ランショウ」で、この中に、200個程の卵があります。この状態で、冬を越し翌年5~6月頃孵化し、幼虫になります。幼虫は6回脱皮を繰返し、その都度大きくなり8月頃成虫になります。
この虫コブは、ヨモギクキワタフシと呼ばれていますが、中に、ヨモギワタタマバエの幼虫が生活しています。この状態で冬を越し、翌年の春に成虫になります。この綿のような虫コブは、お灸のモグサとして利用されています。
卵形の繭でしたが、中を観察するため、上半分の繭を割って、撮影したものです。中にいるのは、イモムシ状のイラガの前蛹です。この後、繭の中で蛹になって、6月頃羽化し繭から出てきます。繭になる前の幼虫は、棘一杯で毒を持っており、刺されると痛さで1週間は苦しむ事になるため、要注意の虫です。
この綺麗な緑色のものは、アゲハ蝶の蛹です。この状態で冬を越し、春温かくなってから羽化して成虫になります。驚いたのは、この蛹がいた場所です。幼虫が住んでいた木々とはかけ離れた「トイレの壁」でした。何故こんな場所を選んだのでしょうね!?
みんなが知っているナミテントウムシです。成虫で冬越しする虫です。この虫のエサは、アブラムシ。茅葺民家の畑で武庫一寸を栽培した時、沢山のアブラムシが発生して害を受けたのですが、テントウムシがこれを食べてくれて、大いに助かりました。例外もありますが、テントウムシは益虫なのです。
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