レポート&コラム
更新日2019年12月24日
12月20日(金)100年の森づくり定例活動レポート
パリッとした、冬の晴日、年内最後の定例活動開始です。
気温は低いものの、太陽がでているので、日向にいると若干暖かく感じます。
本日のメニューは、間伐です。活動の森、東側、園路沿いの樹木を間引いてゆきます。
だいぶ込み合っています。
中に分けいり、選木テープのまかれた木を切ってゆきます。
こうしてみると、皆さん森に溶け込んでいて、風景の一部のようですね。
さて、間伐した樹木は、園内にあるかやぶき民家のかまどで煮炊きに使用する薪にするため、
幹を30センチほどの長さに、切り直してゆきます。
細い枝は、焚き付けといって、大きな薪を入れる前に、火起こしの際に使います。
こうして園内の樹木が、循環利用されていることは良いことですね。
かまどで薪が最後灰になれば、それを、かやぶき民家前の畑に播くことも可能でしょう。最後まで、
木の本体を使い切る、これぞ「mottainai もったいない」の精神ですね。
あらためて、最初にこの木を植えて下さった方に、感謝の気持ちを持ちました。
このように皆で、間伐、枝葉落とし、薪作りを進めてゆき、あっという間に
14ケースもの薪を作ることが出来ました。これは、1か月の薪の使用量に匹敵します。
こうして、ボランティアで、熱心に森づくりに取り組まれるお姿を拝見し、
100年の森づくりに長くに関わって頂いているアマフォレストの会のメンバーの皆さんや、
一般参加者の皆さんも、自然を愛し、森を育て、守る人、「森人」の称号が相応しい方々
がたくさんいらっしゃるなと常々感じております。
そのような経緯から、池澤夏樹さんの言葉を思い出しました。少し長いですが、引用すると、
「木の下に立つことには安心感がある。
風通しのよい疎林の心地よさの中には、
頭上を守られ、周囲も守られているという安心がある。(途中省略)
葉を茂らせ、陽光を浴びて喜びながら、嵐にも平然と耐える。
しなやかに受け流す。
木はそういう調和的な生きかたの師匠である。(省略)
冬が来て雪に埋もれようとも、しばらく待てばまた春が来ること、
自分がそれを間違いなく迎えられることを木はよく知っている。
安心している。
暖かくなったら花を咲かせようと枝の先々で準備をはじめている。
その姿にわれわれは元気づけられるのだ。」
『母なる自然のおっぱい』樹木論より
このような理由からか、何か樹木、そして、森には人を引き付ける力があると思い、
森づくりに携わっています。
さて、今回珍しい生き物を発見しましたので、ご報告します。
こちら、「モズのハヤニエ」です。モズという鳥が、虫やカエルなど(今回は小さなトカゲ)を捕って、エサとして枝などに突き刺しておくもの。(デジタル大辞泉より)モズの保存食と理解しました。
見た目はグロテクスですね。ミイラ化し、しっぽ以外は、硬くなっていました。
そして、もうひとつ見つけたものは、「ドロバチの仲間の巣」です。
ほんとに名前の通りとっくりのような形の巣ですね。自然が作り出す造形には、いつも驚かされます。
上記2つの生き物「モズのハヤニエ」と「ドロバチの仲間の巣」を見ると、何もなかった工場跡地が、徐々に「生物多様性」の場に変容していることが見て取れます。これからもっと、もっといろんな生き物たちが集まってくると思います。森づくりに参画して頂いている皆さんとともに、観察を続け、発見したことは、ここで、順次報告してゆきます。
今日は、年内最後の定例活動日です。
あたためて、100年の森づくりに参加された皆さんに、感謝申し上げます。
本年度、年初の一月から累計で、1、235名の方々にご参加頂きました。
参加される方も、個人、団体、企業、そして、年幅は3歳から一番上は御年83歳までと、
所属、年齢、性別の面でも多様性が見られました。
活動内容は、植樹、間伐、除草、種まき、植え替え、森の観察と多岐に渡りました。
7月以降、活動後には、お茶を飲みながら、みんなで楽器演奏を聴いたり、
森づくりに関するデイスカッションをする時間を持つことが出来ました。
協働と参画で着実に、森づくりが前進しているのも
夏は汗だくになりながら、冬は寒さをもろともせず、活動して下さる参加者の皆さんのお陰です。
本当にありがとうございます。
どうぞ、良き新年をお迎えください。
来年も、皆様にとりまして幸多き年となりますことをお祈り申し上げます。
次回、定例活動、第一日曜日は2020年1月5日 低木類を植えます
第三金曜日は 1月17日 間伐、薪作りをします。
ご参加をお待ちしております。
マリンカ
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