レポート&コラム

更新日2022年6月28日

【森のしんぶん夏号から】ミヤーキーの森写

森のしんぶんの「ミヤーキーの森写」の記事をご紹介します。尼崎の森を激写する男「ミヤーキー」こと三宅喬さんが見つけた意外な風景写真連載。森のしんぶんでは紹介しきれなかった写真も、三宅さんのコメントともにお届けします。

他の記事を読みたい方は、尼崎の森中央緑地パークセンターに設置されている森のしんぶんをご覧くださいね。

 

 最初はアカメガシワの花です。アカメガシワは先駆種としてあちらこちらに植えられましたが、周りの樹が育ってきた結果、その役目を終えたので伐採され、数が少なくなりました。アカメガシワは春になると、紅色の若葉が鮮やかで、結構人気があります。そのアカメガシワは雄と雌が別の樹なので、どんな花かを紹介します。     

 

 

 左上は枝先に咲いている雄花です。花びらが無く、多くの淡黄色の雄しべだけです。左は、枝先に咲いている雌花です。花びらが無く、子房の先に三裂した赤い柱頭だけです。この赤い色はこの後黄色に変化します。アカメガシワの葉は祭事に使われたり、樹皮が薬用に活用されてきたそうです。

             

               

 あっ、カシワバアジサイだ!と一瞬思ったのですが、近寄ってみるとアジサイの仲間ではあるけれど、「ノリウツギ」でした。4枚の白い花びら様のものですが、実は装飾花と呼ばれていて、萼の変形したもので、花びらではありません。周りにある球状になっている棘のようなものが雄しべで、その根元付近を見ると立派な花びらがあり、これが本当の花なのです。装飾花の真ん中にも本当の花が一つ咲いていました。

 

 

 あっ、葉っぱに実がなっている! いいえ、これは虫コブです。クヌギハマルタマバチが葉に卵を産みつけた結果、葉が反応してこんな形のものが出来た次第。(どうやって知ったでしょうね?)卵は虫コブの中で孵化し、幼虫が大きくなると葉から離れて地上に落ちます。虫コブの中で幼虫は蛹となり、暖かくなると羽化して殻を破って外界に出てくるとか。体長数㎜の小さなハチです。

 

 

 葉っぱにしか見えません、見事な擬態です。緑の淡くて濃淡のある美しさに、暫し見とれてしまいました。実は、別の虫を探すために葉っぱを一枚一枚観察していて、偶然見つけた虫さんで、ヒメカギバアオシャクと言います。蛾の仲間にもチョウとは違った美しい蛾がいるのですね!           

 

        

 子孫を残すために頑張っています。キタキチョウです。交尾した状態で、近辺を飛び回っていたので見つけたわけですが、写真を撮るのに追いかけまわし、随分苦労して撮った一枚です。多分ですが、左上が雄です。           

この記事をシェアする

Articles記事一覧

「尼崎の森中央緑地」の最新記事