森の会議
更新日2014年2月4日
第2回森の会議レポート【no.1】
第2回森の会議は、尼崎21世紀の森の「地元」でもある大庄地区で開催。講師には、大庄村の歴史に詳しい尼崎市立文化財収蔵庫の桃谷和則さんをお迎えし、明治以降の大庄村の変遷を教えていただきました。
明治、大正、昭和、そして現在と4枚の地図を使って大庄の変遷をひも解きます。
明治のころまで、農漁業を中心に栄え風光明媚な風景が広がっていたそう。この頃の大庄村の人口は3000人ほど。明治の終わりになると、日本リバー・ブラザーズ(現在の日油)の大工場が進出し、少しずつ風景が変わります。
昭和のはじめには、尼崎築港という会社によって、大庄村の臨海部の大規模な埋立てが始まりました。そんな最中の昭和9年、室戸台風で臨海部が大きな被害を受け、尼いも農家などが土地を手放し、一帯の工場化に拍車をかけました。埋立てが完了する昭和15年には人口が4万人を超えていたと言います。新たにできた44万坪の土地には火力発電所など大工場が次々と作られ、たった10年ほどの間に、尼いもの広がる農地から大工業地帯に変貌することになったようです。
そして戦後、高度経済成長期には工都尼崎の中核だった大庄地域。そんな高度経済成長の終焉、平成7年の阪神淡路大震災の影響もあり、工場の撤退が続き大規模な遊休地が生まれます。その活用策として、「尼崎21世紀の森づくりプロジェクト」が始まったということです。「これほど大きな変遷を遂げるまちも珍しい」と桃谷さんは言います。昭和、平成の二つの自然災害をきっかけに臨海部は大きな転換をすることになったのです。
桃谷さんのお話で、大庄への興味が俄然むくむくと湧いてきた方も多かったようです。第2弾の大庄歴史講座も計画するかもしれません。ご期待ください。
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