レポート&コラム

更新日2021年4月13日

4月の森の会議レポート(2021年4月3日)

 4月3日(土)は、ぽかぽかとした春の陽気の中、今年度初めての森の会議を開きました。

<右から2番目が森の自由研究フェスの太田さん。学習塾を運営されています>

 

 まずは夏の恒例イベントになった「森の自由研究フェス」の太田さんから、今年は8月1日(日)の開催に向けて準備を進めていると情報共有がありました。今年は30ブースほどを予定しており、子どもの自由研究に関わる出店者を募集しているとのこと。合わせて実行委員メンバーも募っているそうなので、興味のある方は参加してみてくださいね。(森の自由研究フェスのフェイスブックページはこちら

 

<虫とりの話題で盛り上がる大人たち>

 

 次は「昆虫大捜査線」の話題に。2月に兵庫県立人と自然の博物館の八木剛さんのお話を聞いてから、森の会議でもやってみようと企画をしてきました(2月の森の会議レポートはこちら)。「大規模イベント」というよりは、いろんな人が勝手に集まって同じように虫とりをしながら楽しんでいる風景を作れないかと模索しています。参加者からは「最近は公園で虫とりをしてはダメだと思っている人が多い。子どもがとる量なら問題ないんですけどね」との声が。

 

 すると「漁業でも捕ってはいけない魚や大きさなどが決められているので、同じように虫の掟を作っては面白いのでは」とのアイデアが。「虫かごに適当に入れると虫は死んでしまいますが、密閉できる袋に1匹ずつ入れたら大丈夫。そんな虫とりの基礎を学ぶ『ハンター養成講座』があったら面白そう!」との提案もありました。「先ほどの話に出ていた森の自由研究フェスでブースにしてみては」と盛り上がったので、次回の森の会議でも引き続き企画を進めたいと思います。

 

<鳥の写真を手に持つ生物多様性コーディネーターの石丸さん>

 

 後半は、2020年4月に赴任した森づくりスタッフの松下さんによる「森のガイドツアー」をしました。ガイドツアーに出発する前には生物多様性コーディネーターの石丸さんから、尼崎の森で見られる珍しい鳥や昆虫の写真を見せていただきました。「尼崎の森は、何もない場所にいちから人間が森を作る実験。自然破壊が起こった後に人の手でで森を再生する時、この森がお手本になると思うんです」と話す石丸さん。「それでは実際に今の様子を見てみましょう」と、松下さんに案内していただきました。

 

<普段は奥まで入らない「ゐなの花野」を散策する参加者>

 

<セイヨウタンポポとカンサイタンポポの違いを教えてくれました>

 

 「セイヨウタンポポは、花の下にある総苞片(そうほうへん)がそり返ることが特徴なんです」と話す松下さん。尼崎の森では在来種のカンサイタンポポを植えていますが、どこからか種が運ばれてきて育った外来種のセイヨウタンポポも生えているそう。「セイヨウタンポポを見つけたら種が飛ばないように花のうちに摘み取ってください。外来種だから悪いとかではなく、尼崎の森は在来種だけで森を作るという壮大な実験をしているんです」と話すのは松下さんの先輩で森づくりコーディネーターの斉藤義人さん。松下さんを心配して、こっそりツアーに同行してくださっていました。「これまでは外来種を駆除しようと頑張ってきましたが、キリがないのでこれからは在来種をたくさん植えて増やすことにシフトしたんです」と森づくりについて熱く語ってくれました。

 

<植樹した木がすくすくと大きくなっています>

 

 参加者は松下さんと斉藤さんに森の素朴な疑問を質問したり、森林浴をしたりと春の森を満喫しました。松下さんによるガイドツアーは随時受け付けているとのことですので、興味のある人はぜひパークセンターに声をかけてみてくださいね。

 

 次回の森の会議は5月1日(土)。虫とりの奥深さと面白さをもっと知るために、虫とりマニアを招いて「虫とりトーク」ができればと考えています。通常の森の会議の後は、実際に虫とりにも挑戦してみましょう。虫とりあみと虫かごを持ってお越しくださいね。ご参加お待ちしております。

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