レポート&コラム
更新日2019年8月2日
【森のしんぶんピックアップ】森のカメラマン ミヤーキーの森写【2019年夏号】
夏は、虫たちの命を繋ぐ季節です。そこで、虫に的を絞って3点選びました。
初めは、はじまりの森で撮影した「カメムシ」です。
年々数が増えているようです。
次は「ハナムグリ」。
次は8月に入ってから見られる光景です。
緑の葉っぱと緑色のどんぐりのついた枝先が地面に散らばっています。これは、ある虫が切り落とした結果です。
その虫は「ハイイロチョッキリ」と言います。なかなか可愛くてお気に入りですが、いかがでしょう!
ご覧の通り、とても長い口(正式には「吻」といいます)を持っていて、その先端はキリやノミのような働きができます。
体長が8 ㎜前後と小さく、その数もまだ少ないようで、観察するには丹念に探す必要があります。尼崎の森中央緑地ではコナラの木に一番多いようです。
発見時は交尾中と思ったのですが、調べてみると違っていました。これは、交尾後のメスがドングリに産卵するための穴を開けているところで、オスがその後ろからメスを支えている光景です。穴を開け終わると、メスはその中に卵を一つ産み落とし、穴の入口を塞ぎます。その後、長い口でドングリの枝を切り落とします。そうしてできたのが、3番目の写真の光景です。
なぜ切り落とすかについては色んな理由が考えられていますが、みなさんも想像してみてください。
これは、ハイイロチョッキリが切り落としたドングリの断面写真です。右下側にある「丸く白い」ものが、コナラのドングリに産みつけられた卵です。
卵が孵って幼虫になると、ドングリを食べて大きくなります。そして十分な大きさに成長すると、ドングリから這い出して土の中に潜り、冬を越します。
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